迷走、瞑想、競う、奇想。「生存」のタメの絵なのか、「絵」のタメの生存なのか。。。イラストレーターの「ロスジェネ時代」に奮闘(もうしない)イラストレーター!

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今日から3ブログ分に分けて、お盆休みスペシャルちょっぴり、ホラーな真夏の不思議話をお送りいたします。

では早速、第一夜目の不思議話から。(やけに嬉しそう。。。)


。・・・・・呼ぶ声。・・・・・。

あれは、以前、初夏に引き受けたバイト中での出来事でした。その日、私は朝の4時起きで、午前から午後までの交通量関係の仕事に出ていました。仕事自体は単調で退屈な内容でしたが、
バイト料が地方都市にしては割が良く、私は眠い目をこすりながら、指定の現地集合場所に
出向きました。そこには、その日のバイトに集まった6~7人ほどの20代~40代ほどの男女が居て、
担当の男性が、仕事の割り振りを決めた後、時間が来たらそのポジションに立って
道路調査をはじめました。田舎の観光地に近い場所でしたが、交通量はたいしたことは無く、行き交う人も殆ど居ない静かな場所でした。

私のポジションは丁度、田舎の橋の袂の2車線の位置での渋滞量調査だったのですが、
その日は朝から天候が不安定で、空を見るとなんとなくどーんよりと曇っていました。

いやだなー、雨が降らなきゃいいなーと思いつつも、今朝見た天気予報の、夕方の6時までは
雨が降らないと言う予報を信じて、私は淡々と仕事をこなしていました。
しかし、
そんなこちらの希望とは裏腹に、開始から1時間半を下ったころ、パラパラと空から
小雨でしたが雨が降り始めてしまいました。残り30分で休憩時間ですが、途中で
雨具を取りに行くことは出来なかったので、そのままその場所で、手元のバインダーが
濡れてはいけないので、ビニールで包んだりしながらそのまま濡れ鼠で残りの25分を乗り切りました。まあ、このバイトも数回は引き受けたことがあるので、これはまだ天候ハプニングの中でも
マシな方で真冬の24時間バイトの時には深夜の3時ごろから、頭に雪を被りながら
震えながら調査をしたこともありましたけどね。

そんなこんなで、午前の調査を終えて、一緒に担当していた40代の女子と合流して
集合場所に戻ろうと、高速道路の交差する道路沿いの歩道を濡れたまま歩いていると、ふと
足元に一羽のシジュウカラと思われる小鳥がひっくり返って亡くなっていました。
余り痩せている様子は無かったので、寿命か、それとも道路沿いなので交通事故
に遭ってしまったのかも知れません。
うわ、可哀想だな。。でも、どうしようと……と思ってその場に立ち止まっている
間に、40代の女子たちがこちらにやって来てしまったので、取り合えず、車に
戻ろうと思いそのまま戻ってしまいました。

午後の調査までは時間があったので、一旦、解散して家に戻ったのですが、
昼食を食べて、パソコンを弄ったりしている間に、午前中のことは忘れていました。
そして、午後になって再び同じ場所に出向きました。また、数時間も、単調な仕事が続きます。
まだ空はどんよりと曇っていましたが、幸い今度は何とか持ちそうでした。雨ガッパはありますが、
やはり雨が降る中で仕事をするのは面倒なので、今度は降らないようにと空を時折ちらっと
眺めながら、時間が過ぎるのを待っていました。何せ、田舎の道路です。一応、右折をする
車はありますが、午後になっても渋滞することがありません、静かな道路沿いでホッホー、ホッホー
と鳴いている鳩の姿と声まで良く聞こえてきます。

一時間が過ぎたころ、夕暮れ時だと言うのに車の姿が途絶えました。立ち仕事で足は
重くなってくるし時間は中々過ぎません。
私は、退屈の余り、体を余り動かさないようにしながら、さりげなく曇った空を目線だけで
見上げました。

その時、ふいに背後から声が聞こえたんです。
その声は、私に向かって問い掛けているようでした。

『お前は善人か?』

えっ?と思って振り返りました。
勿論、背後には誰も居ませんでした。代わりにその場所には石碑の
ような物が墓石を設置するぐらいの面積で置かれていました。
午前中には全く気が付かなかったのですが、どうやら私はその場所の前に
いつの間にか、ずっと立っていたのでした。

『お前は善人か?』

その問い掛けは一度きりでしたが、確かに聞こえたような気がしました。
その石碑はどこにでもありそうな何か長々と説明の掘られた代物でしたが、
流石に仕事中にじーと文章を読むわけにはいかないので、
そのまま普通に仕事を続けました。

何とか、無事にバイトもこなし、午後は雨も降らないまま終わったので、
私は再び集合場所へと急いで戻りました。
その時、午前中のシジュウカラのことも私は思い出していました。
でも、野生の動物の死骸を一々埋めたりして供養するのも何か
違うと思い、そのままにしてきました。
夫が舞台美術をしていると言う、女性とも仲良くなって、お互いに
名刺やアドレスを交換して、バイト代を受け取ると、その日の
開放感と共に私は帰宅しました。

あれから、あの件に関しては何もありません。このブログで書くに
当たって後から気が付いたのですが、私が居た場所。
あれは橋の袂の入り口付近でした。

柿本人麻呂の時代、上代の世の以前からも、
言い伝えられる逸話の中にこんな話がありますよね。

橋の袂、夕暮れ時、何かと何かの境目の場所は
「あの世」と「この世」を結ぶ繋ぎ目だと……。

因みに、あの問い掛けに私は答えていません。
今も答えてはいませんよ。

これで『呼ぶ声』の話はお仕舞いです。


・拍手御礼
拍手ありがとうございましたー




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