迷走、瞑想、競う、奇想。「生存」のタメの絵なのか、「絵」のタメの生存なのか。。。イラストレーターの「ロスジェネ時代」に奮闘(もうしない)イラストレーター!

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画面の編集中に家族が電源コードを引っ掛けて、
データが一度、吹っ飛びました。おおーーい
何かパソたんがびっくりして、セーフモードにしますか?って
オロオロ聞いてきたのがちょっと微笑ましかった。
ノベルの方は
まだ書き出し、ショッパナだったから良かったけど(スローーもー)





第一章 (4) 『宇宙デブリ』前編

【ラーグ】
「はい、判りました。ありがとう、また宜しく……」

ラーグは手元の携帯電話の回線を切ると同時に、鼻から軽く
息を漏らして背後のシャトル格納庫を振り返った。

【マリーン】
「じゃあ、出発準備は整ったわね」

【ピトフーイ】
「休日はごろごろしていたかったけど、今日は
しょうがないかー」

【ラーグ】
「……」

シャトルの前で待っていたアガタたちに、返事の代わりに軽く頷くと、
ラーグは持っていたキーでシャトルのハッチを開放した。

【アナウンス】
「只今より、当シャトル便は衛星ウルに向けて
出発いたします、ご搭乗の皆様はシートベルトを
お閉めください」 

【アガタ】
「………」

シャトルが発射した直後の独特のGを体感した後、
アガタは右手側の小窓から外の景色をじっと眺めた。

【マリーン】
「よしよしマイクの感度は良好、今度の社員旅行にも
使えるわね」

【ラーグ】
「うちは観光シップじゃないんだから、マイクで遊ぶなよ」

コックピット内の直ぐ後ろの、カーテンで仕切られただけの
簡素なクルー席に意気揚々と戻って来たマリーンを、
彼は軽く嗜めた。

【マリーン】
「まあ、いいじゃない今日ぐらい、折角宴会に行くんだし、ね?」

【アガタ】
「えっ?はい、そうですね」

ラーグの脇の席を擦り抜けて、後方の右端にあるアガタの隣の空いている席に
ひょいと腰掛けると、マリーンは一人で外を眺めていた彼女に声を掛けた。

【マリーン】
「アガタさんは16歳なんだね、うちの社長より若い社員なんて
久々だからびっくりしちゃったわ、学校なんかは
どうしてるの?」

【アガタ】
「あの…昨年から休学してます、当分は此処で働くので」

【ラーグ】
「現場を学ぶのも勉強の内だよ、その方が早いから。
亡くなった爺ちゃんの受け売りだけどな」

2人の話に前方のラーグが笑顔を浮かべながら振り向いて、割り込んできた。

【マリーン】
「それもそうね、宴会は気疲れするけどコレは学ばずノンビリ
しましょう」

【アガタ】
「ええ、そうします」

軽く苦笑を浮かべてアガタはラーグとマリーンを交互に見た。

【アガタ】
「あの、ピトフーイさんは?」

【ラーグ】
「シャトルの運転をして貰ってる、後でオレが交代するけど、
この辺りはゴミが多いから一応見てる人間が居ないと困るんだよ」

【アガタ】
「シャトルの免許も、お持ちなんですか?」

【ラーグ】
「彼女はうちの会社で一番長いからね、オレより彼女に
聞いた方が早いかも知れない」

【アガタ】
「そうなんですか…」

【マリーン】
「不思議な会社でしょ?」

怪訝な色を顔に浮かべたアガタに、マリーンは
柔らかく微笑みかけた。

【アガタ】
「えっ、はい、いえ……」

柔らかな馬の背のような栗毛の髪に良く似合う、深いはしばみ色の
切れ長の瞳がじっと、こちらを見つめているのを確認して、アガタは何となく
前に向き直って居た、斜め前のラーグの後ろ頭に目を向けた。

【マリーン】
「………」

その横顔を追跡するように、マリーンはほんの少し首を傾げると、
前方のラーグの頭の天辺に指を2本乗せた。

【ラーグ】
「ちょ、何してるんだよ」

【マリーン】
「そんなに畏まらなくても大丈夫だからね」

【アガタ】
「えっ?」

はっとしたように振り向いたアガタの横で、マリーンは
柔和に笑顔を浮かべて、彼の繊細そうな髪から
指を下ろした。

【アガタ】
「あの…」

【ラーグ】
「何か頭に付いてた?」

【マリーン】
「ツムジが二つと頭が一つ」

【ラーグ】
「ああ、面白い」

微妙な薄笑いを浮かべて、振り向いたラーグの前に
彼は指を2本差し出した。

【マリーン】
「若白髪はどこに居ても現場で学ぶ者の証よね…」

【アガタ】
「……」

【マリーン】
「あら、アガタさんは頬にニキビがあるわよ」

【アガタ】
「えっ?そうですか」

椅子の前の小さなゴミ入れに髪を捨てると、マリーンは
徐に、2人の様子を傍から眺めていたアガタに振り向いた。

【ラーグ】
「それ、ニキビじゃなくてマジックのインクか何か
だろ」

【アガタ】
「あっ、そういえば今朝、部屋の整理をしていて、
ケースにマーキングをしていた時に……」

【マリーン】
「青春のシンボルよねー」

【ラーグ】
「意味が判らん…」

慌てて頬を手で擦っているアガタの横で、
嬉しそうに笑う彼を見て、ラーグは呆れたように
溜息を吐いた。






【ピトフーイ】
「トイレに行くからさ交代~」

【ラーグ】
「判った、行くよ」

カーテンを潜って出てきたピトフーイを見て、
ラーグは席から立ち上がると、コックピットに向かった。

【ピトフーイ】
「ふー、やれやれこの辺りは安定してるから、
見て無くても大丈夫だけどさ~」

【マリーン】
「お疲れ、後1時間ほどで着くわね」

【アガタ】
「お疲れ様です」

入れ違いで席に腰を下ろした彼女に2人は声を掛けた。

【ピトフーイ】
「なんで5名程でウルまで行こうと思ったんだろうね、
近所でも良かった」

【マリーン】
「あら、知らないの?あそこは社長の地元でいーい、
菜の花の原料が採れるのよ、今ならおひたしなんか
絶品で食べ放題…私がリサーチしたんだから」

【ピトフーイ】
「あんたの差し金かい、あたしは食べられれば
何でもいーよ」

【マリーン】
「欲がないね」

【アガタ】
「あの……」

それまで黙って聞いていたアガタがおずおずと
口を挟んだ。

【ピトフーイ】
「何~?」

【アガタ】
「5名って、もう一人誰か来るんですか?」

【マリーン】
「ああ、直行ってるのが一名いるけど、彼とは
直接会うことは殆ど無いと思うわ、その内
社長が紹介してくれるから」

【ピトフーイ】
「スパイみてー、今日も来てるか行ってみるまで
判らねー」

【アガタ】
「そうなんですか?」

スパイと聞いて思い当たる節があったアガタは、
きょとんとしながらも、軽く苦笑を浮かべた。

【アガタ】
(ウェブさんたちは、元気かな……)

そんな彼女の心中の思いを知らぬまま、二人は椅子越しに
向き合って、お喋りを続けていた。

【ピトフーイ】
「もうちょっと、ここらで飛ばせたら快適何だけどさ、どうせ
こんな処、大型シャトルは飛びやしないんだから」

【マリーン】
「もし夢の光速シャトルなんて、開発できても意味がないわね」

【ピトフーイ】
「ああ、それ造ったら不味くね?」

【マリーン】
「ええ?なんでよ、時間が短縮出来たら、うちなんか、
ゆとりが出来るわよ」

ピトフーイは椅子から頭を乗り出してニヤリと笑った。

【ピトフーイ】
「ほら、前にTVとかでやってたじゃん、光の記憶の話」

【マリーン】
「聞いたことはあるけど、本当なの?」

【アガタ】
「……?」

同時に首を傾げた二人の前で、ピトフーイは怪談話でも
するように、声のトーンを落として囁いた。

【ピトフーイ】
「実はトロン辺りで、数年前に光速船の開発が既に完了したって噂が
あったんだけどさ」

【アガタ】
「そうなんですか?」

【ピトフーイ】
「そうそう、だけどその中の研究者の一人が、産業スパイで
それを隣国に持ち帰ってシャトルを造ったんだよ」

【マリーン】
「眉唾くさいなー」

【ピトフーイ】
「けど、それに気が付いたトロンの研究員の一人が
発射の間際に抗議に来てさ」

【マリーン】
「すごいタイミングね」

【ピトフーイ】
「いや、何かバカンスに来ててTVで発射のニュースを
聞いて、直前まで隠していたらしいんだけど」

【アガタ】
「それでどうなったんですか…」

【ピトフーイ】
「そりゃ、国益の邪魔したスパイ呼ばわりされて、逆に
シャトルの前で射殺されたんだよ」

【アガタ】
「……」

【マリーン】
「つまんない話ねー」

【ピトフーイ】
「あー、煩い真相は最後まで聞け、そういうパターナリズムな
合いの手ばかりじゃ、大事なもんも取り落とすぞ」

【マリーン】
「判ったわよ、で光の記憶が出てくるんでしょ、
お化けみたいに」

【ピトフーイ】
「そうそう光速だからさっきの映像が窓の外に延々着いてきて、
シャトルのクルーが鬱になっちゃうんだよねー」

【アガタ】
「恐いですね……」

【マリーン】
「確かに色々問題がありそうね、TVの嘘話でも」

【ピトフーイ】
「あー、ほんとに嘘だと思う?ねえ?」

【アガタ】
「えっ?いえ、判りません」

頬杖を付いて、アガタに視線を送ったピトフーイに、
彼女は返答に困って軽く眉を顰めた。

【アガタ】
「でも映像に記憶があるなら、色々な事が全て
宇宙を巡っているんでしょうか?」

【マリーン】
「プライバシーが無いと不都合な事がたくさん、
出てきそうね、特に政治なんか困るんじゃない?」

【ピトフーイ】
「さっきあたしがトイレに行ったことも記録されてんだからさー」

【アガタ】
「それは…ちょっと……」

【ピトフーイ】
「神様は見てるから悪いことは出来ないね」

【マリーン】
「大丈夫よ、光速船なんて体が追いつかないでしょ」

【ピトフーイ】
「見るだけの装置でもいんじゃね?」

【アガタ】
「見てるだけ……」

アガタは窓の外の星の流れをそっと目で追った。

【アガタ】
「……(そんな装置があったら、ルアンに何があったのかも
判るのかな……」


【マリーン】
「やーね、悪趣味な事を言うから席を立ち辛くなった
じゃない」

【ピトフーイ】
「光を遮断する装置の中で暮らせば?」

【マリーン】
「私は人類のままで暮らしたい……!」

【アガタ】
「えっ?!」

突然、乱気流に巻き込まれたような激しい上下の振動が、
シャトルの室内に響き渡った。

【マリーン】
「何?!あっ…!」

【ピトフーイ】
「っ…社長?」

【アガタ】
「…!!」

揺れる機体の中で、シートベルトにしがみ付きながら、
アガタは不安そうに天井を見上げた。

                    風の大使Ⅱ 続く...





・さて、散髪しなきゃ。。。。。ま、前髪が。。。


nl01.jpg


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