迷走、瞑想、競う、奇想。「生存」のタメの絵なのか、「絵」のタメの生存なのか。。。イラストレーターの「ロスジェネ時代」に奮闘(もうしない)イラストレーター!

2017/09 |  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 | 2017/11

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テーブルの上には出来たばかりの温かな料理、
小さなキャンドルに灯を点す、
シャンパンの準備も整った。
約束の時間は19時ごろ
私は夕刻から吹雪き出した窓の外をちらっと眺めながら、
あの人の到着を待った。
時計の針が21時を回り、22時を過ぎてもあの人は一向に
訪れる気配を見せない、私は焦燥感に駆られ、窓の傍と、テーブルと、
扉の前を行ったり来たりしながら、愛する友の到着を待ちわびた。

この吹雪の中、何か経路に問題が在ったのだろうか?
それとも、招待状はあの人の手元に届いていなかった?
此処まで到着する為の、片道キップはそんなに高くは無い筈。
それとも…………。
焦りの色はいつしか胸の中で、一杯の寂しさから暗く冷えた孤独へと摩り替わる。
それから、数時間立って、もう一度冷たくなったテーブルの料理を温めなおしてから、
私は吹雪いて凍り付きそうな重い扉をそっと開けて家の外の街道を、顔に
降りかかる雪を払いながら、じっと目を凝らして眺めた。
街灯の上にも鼠色の雪が降り積もり、通りの人影も今は何も見えない、
もっともこんなに吹雪いていたら、10m先の足元だって覚束無いだろうけど。

私は、それでも未練たらしく、家の前に掲げられた名札が埋まっていないかを
確かめる為に、厚めのガウンを着込んで玄関口へと回り込んだ、
決してその日に
見なければ良かった、その場所へと……。

凍て付いた白と黒の織り成すグラデーションの中、雪に埋もれる事も無く、
場違いにピカピカと輝くネオンのように玄関口にずらりと並んだ見知らぬプレート、
私が掲げた名札と違う、誰かの悪戯だろうか??
私は息を凝らして、頬が凍りつくような空気と内からの熱の競合に困惑する。
プレートに掲げられた名前、それには、

『不安』

『疑念』

『嫉妬』

『裏切り』

『偽装』。

………………。

誰がこんな言葉を最初に発したの?

何故、これが今、私の家の前にあるの?

たくさんの、本当にたくさんの負の言葉の数々、その一つ一つが深々と、
凍える身と心に突き刺さる。

誰かの悪戯?誰かの小さな裏切り?に、流す涙も忘れて私はただただ憤る。

小さなプレート、光るプレート、私の玄関口に埋め尽くされた、
それを素手で無理やり引き剥がし、積雪の地面に叩きつけて、
震える肩のまま、吹雪の中を思わず私は通りに飛び出した。


風の大使Ⅱ
― スピリチュアル・ドラゴン ―


                 作:nosuma.


                 
                    (続き…をクリックで本編)






第一章 『再び一人に』


「はあ~~」

ガランとした薄暗い倉庫の片隅で、箱に腰掛けたまま、作業着の年の若い青年は、
その日何度目かの溜息を零した。

「…信じる者は救われない、努力は意味が無い、
人生なんて所詮は何にも無いのかな………」

「あら、ラーグまだそんなトコに居たのね」

やけくそみたいに淡いブロンドの髪に手をやってくしゃくしゃと掻き混ぜていると、
背後から快活な足音と共に、彼とお揃いのの作業着を来た栗色の髪の
長身の男がぬっと上部から
顔を覗かせた。

「お陰さまで、モチベーションはどん底……
なんで、オレまだ此処に来てるんだろう」

「もうその辺の掃除はざっと済んだから、ささっと
出ましょう」

おネエ言葉も違和感無く発しながら長身の青年は、再び溜息と影のオーラを漂わせ
始めたラーグと呼ばれた青年の肩をぽんっと叩いた。

「良くこんな局面でニコニコして居られるよな…社長は連絡先も
不明で、警察もやっと動き出したけど……倉庫内にある荷物の
運びを2人だけで毎日できると思うか?」

「あら、今夜は蟹なのよカーニ、蟹と聞いて庶民は
暗くなんかなってらんないでしょ」

何となく恨めしげな目線を向けた先で、青年はケラケラと笑い声を上げながら、
倉庫の外に向かって歩き出した。

「ったく」

「どうなんだか、身がたくさん詰まってるといいね」

「マリーンの言うことは意味が判らない」

仕方が無く立ち上がって後を付いて出口に向かいながら、
ラーグは散々、口の中で細かくごちた。

「よし、出口に無事に到着、今日もいい運動になったわね」

「………」

ラーグは、先に倉庫の出口まで辿り着いて振り返りながら、にっこり
笑ったマリーンの顔を無言でちらっと見て、そのまま明かりの消えた
倉庫を振り向いた。

「どうしたの?忘れ物?」

「いや…今日も仕事に来てくれて有難うな……」

「月に一度の蟹の為だもの」

「……鍵掛けて帰る…寄越せ」

その言葉にも振り向かないで、ラーグは手だけで鍵を要求した。

「ら、いけない倉庫の中の掃除用具入れの箱に置いてきちゃったわ」

「……っ意味が無い、此処まで来た意味が…」

ラーグはポケットから青いタオルハンカチを取り出して、鼻水の垂れた
鼻の下をくしゃっと拭いた。



― 虹彩暦513年 ―

『― ってそっちが先だから貨物船に積み込んでくれよ』

「もう10往復でめんどくせぇー、小荷物はロボットにやらせろよ」

「ってあのなー!」

ラーグは首もとの小袋を貨物船と荷物の間に挟まれないように、
振り返りながら、頬に刺青をしたバイトの青年を少し睨み付けた。

「オレ、今日で辞めるから、新しいことはやっらないよー。
社長さんなんだから、責任持って全部やんなきゃ」

「もう、いいからじゃあ帰ってくれ、通りの荷物を運ぶ
邪魔になる」

「あそ、じゃあ月末に振込み宜しくねー、でなきゃ
俺わ、法律違反で訴えるからねぇーん」

刺青の青年は悪びれもせずに、手を振って倉庫の外に出て行った。

「ふぅ…」

思わず肩で息を零した背後から、バイトと入れ違いにマリーンが倉庫に
顔を覗かせた。

「あら、もう済んだのかと思ったらまだ随分と小荷物が
あるじゃない」

「また、逃げられた」

「昼ごはんがすんだっから、交代するわよ、汗拭いて
休んでらっしゃい」

「バイト言葉が感染してないか」

じと目で彼を見ながらも手元の伝票に機械を当てて、
ラーグは区切りの良い所までテキパキと貨物船に
荷物を運び込んだ。

「でも、今日は午後から面接があるんでしょ?
良かったじゃないー、タイミング良く救世主が
現れて」

「こんな所にくるもんか…」

諦念を顔に浮かべて眉を顰めると、残りの伝票を
彼に手渡して、倉庫の外のボックス型の簡易休憩室に向かった。

「大丈夫よ、きっと来るから今日は木星の空も快晴だもの」

「風はすごい……」

「やさぐれてるわね、だめよ人相が悪くなるから、クライアントが
恐がるのよ」

再び眉を顰めながら、まだ幼さの残る表情で
キツク振り向いたラーグの顔を見て、流石にマリーンも彼を嗜めた。

「どこの世界に社員に叱られる社長が居るんだろうな……」

「あら、誰か来たわよ」

「………」

話の途中で後ろを指差したマリーンに、どうでもよさそうに
振り向いた彼は視線の先で一瞬、言葉を詰まらせた。

『あの……』

「どうしたのかしら?」

「あ、先日面接の件でお電話差し上げたアガタと申します、
担当のラーグさんはどちらに……」

「……来た?」

「ほらね、今日は風向きが良いから必ず来るって言ったでしょ?」

「言ってない」

顔を上げたラーグの横で、彼はにやっと笑って合図を送った。

「えっ?あの、ラーグさんはどちらに……」

              (風の大使Ⅱ 続く。)


・後数時間で本編公開と言いつつ、日付変更線が超過気味に。。。onz
翌日でいーやん(すいません遅筆で。。。;)


・拍手ありがとうございましたー


・しかし一章のアガタの出番遅っ
続きは年内にもう一回出せたら奇跡です




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